ハントウメイ
それから部屋を出て、男に駅まで送ってもらった。
「玲ちゃん、今日もありがとうね。また連絡するよ。」
「うん。それじゃ」
私が車を出ようとすると肩を掴み男が私と唇を重ねる。
「それじゃ、気をつけて。」
バタンッ
…………。
私は自分の部屋につくと玄関の壁にそのまま寄り掛かり、座り込む。
蓮の顔がちらついて胸が苦しい。
そして、思い出してしまいそうになる昔の感情を。
沸き上がる気持ち。
こんな事は普通の事なんだと、
当たり前に私はするべき事なんだと
そう思って今までやってこれたのに
感情を殺して、殺して、消して。
なのにどうしてよ…
どうしてくれんのよ……………
……………蓮。