ハントウメイ
昼休みが始まってからもうすでに20分以上はたっていた。
もう、一人で屋上に出たかな。
それか他の場所に行ったかな。
なんて思いながら屋上の扉の前まで来る。
後何段かってところで前に目を向けると、無造作な色素の薄い茶色の髪が私の視界にはいってきた。
間違いなく、あれは彼の
蓮の髪。
少しの緊張が私の中に走る。
ためらいながらも足音をなるべく消してそっと少しずつ進むと彼の顔が見える。
扉の前の少しの段差に腰を降ろしている彼の顔は下を向いていた。
良かった。まだ私に気付いてない。
それに、寝てるんじゃ……
彼の傍まで来ると私は目の前までいき床に膝をつく姿勢で彼の顔を覗きこんだ。
やっぱり
寝てる。
彼の寝顔が可愛くてだけどやっぱり綺麗で。
見れば見るほど彼に引き寄せられる。
その綺麗な肌も鼻も睫毛も唇も髪も。
全部が私を刺激する。
なんでかな、
君に無性に触れたくなるんだ。