ハントウメイ



「……そっか、」



そう言った彼は笑顔で。


なのに、まだ悲しく淋しそうで。


泣くのを必死に隠して無理して笑う…


そんな顔。






「あっ手、ごめん。」


そう言って彼は私の手首から手を離す。

少し強く握られた手首にはまだ彼の手の感覚が残っていて…


「……うん」


「って、どこらへん?」

なんて彼は言いながら自分の顔を触りながら、私がついた嘘の言葉をうのみにして聞いてくる…



彼は…信じているわけじゃない




気がする。




私の必死についた嘘をごまかしに付き合ってくれているだけなんじゃないかって気がしてならない。






逆にもう彼がごまかして必死にゴミをとろうとしている演技をしているように見えてしょうがない。


なんて、私の思いすごしなだろうか。




彼の顔を無言で見ながらそう考えていると




「………玲?」



彼の声で我に帰る。




「…っ、なに?」





「何って、まだゴミついてる?」



蓮、君はどうして……





「…もう取れたみたい。」



最初からついてないよ。



「なんだ、ありがと。」




「別に。」




「ちょっとオチがあって、残念だったけど」




………オチ?





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