ハントウメイ



「……これってさ…他に……」

持ってる人はいるの?

これを持ってるのは私達だけ?




なんて、そんな事を素直に聞けない。


だいいち、恥ずかしいし。


















「いないよ。」

私が言いかけて固まると、さらっと急に彼が言ってきた。


まるで、私の思考が読まれているようで。


驚きと恥ずかしさで少し目が泳ぐ。



「俺が知ってる限りは玲と俺との二人だけ。」





そう言った後、彼はフェンスの外に向けてた目を私に移して私の瞳をとらえる。



すると柔らかく笑って



「、違った?」





「えっ?」






「玲が言いかけたからさ、勝手に解釈したんだけど。答えになってない?」








「…なってるよ。」

彼から視線を逸らしそう答える。








蓮、




君は本当に




変な人…。









そう思うと不思議と自然に笑いが込み上げる。




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