ばうんてぃ☆はうんど・vol.3~ほーんてっどほすぴたる《改訂版》
「さて、次はどう出るかの。――ほほお、これは……」
 なんか知らんが、ストークスじいさんには良いのが来たようだ。ブラフじゃなければ、だが。
 全員にカードが行き渡ったところで、
「では、最初のベットをどうぞ」
「今度は強気でいかせてもらうぞ。一気に25,000じゃ」
「ストークス様、25,000。お二方、勝負なされますか?」
 ディーラーの言葉に、
「そう簡単にはいかせんぞ。レイズ、30,000じゃ」
 よほど自信があるのか。トリビアーニじいさんは5,000上乗せしてきた。
「よかろう、受けて立つわい。コール」
「ファング様、どうなさいますか?」
 俺の手は、キングのワンペア。二人を見る限り、ドロップした方が賢明だが……
「コールだ」
 勝ち目のない勝負に挑むことにした。
「では、カードのチェンジを」
「わしゃ2枚頼む」
「わしもじゃ」
 じいさん二人は2枚換えた。
「ファング様は?」
「3枚だ」
 俺は、ここでもセオリー通りに換えておく。
「では、2回目のベットをどうぞ。トリビアーニ様から」
「レイズ。10,000乗せるぞ」
 トリビアーニじいさん、チップを1枚指で弾いて乗せる。
「カッコつけおって。年寄りがあまり強気に出るもんじゃないぞい。コールじゃ」
 ストークスじいさんもチップを乗せる。
「お若いの、どうするね? 無理することはないぞ?」
「いや、コールだ」
 俺も10,000ドルチップを一枚乗せた。
「良いのか? 別に引くことは、恥でもなんでもないぞ?」
 ストークスじいさんの言葉に、
「俺はジャパニーズ・サムライが好きでね。知り合いのジャパニーズから聞いた話じゃ、例え負けるとわかってるイクサでも、決して背中を見せないのがブシドーとかいうやつらしいぜ」
「勇ましいのお。いやいや、その年で大したもんじゃ。最近は――ミスタ・ファング――お前さんのようなブレイヴァーもすっかりおらんようになってしもたわ。わしがベトナムに行っとった頃には、もっと骨のあるやつが多かったもんじゃがの」
「ミスタ・ストークス。あんた元軍人か?」
「ああ。陸軍におった。これでも大佐までいったんじゃぞ?」
「すげえな、そりゃ。俺は昇進とは無縁だったな」
「お前さんも軍に?」
「ああ。シールズにいた」
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