ばうんてぃ☆はうんど・vol.3~ほーんてっどほすぴたる《改訂版》
「てか、せっかく手に入れた第3世代型のリナ○ーコスだからさ。汚さないよおに食ってたら、あんまスピード出なかったんだよねー」
 全然聞いてねえ。
「それ、じいさんのコレクションに入ってたやつか?」
 あかりのコスチュームを指さす。
「そお。警察の人に聞いたら、『証拠品じゃないし、本人が、あんたにならやっても良いって言ってるから、持って行け』って言うから。もらってきたの♪」
 あかりが吹っ飛ばした後。じいさんの荷物の中から頑丈そうな箱が出てきたので警察が調べたら、中からジャパニーズマンガやアニメのフィギュアだのコスチュームだのが山ほど出てきた。やっぱあのじいさん、あかりをヤバい目で見てたんだな。
 その中に、昨日あかりがボロボロにされたコスチュームの新型が入ってやがった。
「前から欲しかった第3世代型だし。ホットドッグも食べられたし。許してやっても良いかな、あのじーちゃん」
 笑顔でコスチュームを眺める。ことはそう単純な話じゃねえんだがな。ま、こいつは知らねえ方が良いか。
「さて。さしあたっての生活費もゲットしたことだし。そろそろバラクーダのとこに戻るとすっか」
 言いながら席を立つ。
「L.A.までって、ちょー遠いよね。やっぱ飛行機で来た方が良かったんぢゃね?」
「ぜーたく言うな。バイクなきゃ不便だろ」
「飛行機は高いしな」
「砂漠だから、お肌が乾燥するんですけどー。ガチでガチガチ」
「ダジャレか?」
 ホテルの駐車場目指して歩きだす。
「ところでジル。気になることがあるのだが」
「なんだ? まだなんかあんのか?」
「病院に入った直後から、あかりのパソコンたちが動かなくなっただろう?」
「ああ。どうせ、電磁波発生器とかつけてたんだろ?」
「しかし、ストークスが仕掛けた監視カメラは動いていた」
「鉛でコーティングしてたんだろ」
「ところがだ。カメラを外した直後から調べていたんだが、なんの電磁波対策もされていなかったのだ」
 俺とあかりの足が止まる。
「どう思う?」
「いや、どう思うって言われても……」
「でぃ、ディルクが見落としたんぢゃない……?」
 あかりの顔色が悪い。
< 49 / 50 >

この作品をシェア

pagetop