you&me*

夜はやっぱり少し寒い。

嬉しすぎて急いで出てきた私は
長そでの薄いワンピース1枚だった。

上着を取りに帰ろうと思った瞬間
遠くの方で自転車に乗って手を振ってる人が見えた。


直人だー・・


私も大きく手を振り返す。
手を振ると同時に
さっきまで寒かった体が
急にポカポカしてきて
直人と会えるドキドキが
体温を上げていた。


勢いよく私の目の前で
自転車が止まった。

直人も少し息を切らして
いて、きっと急いで来て
くれたんだと思うと
愛おしくて仕方がなかった。


「心菜、もしかして
ずっと外で待ってた?」

「えっ、ううん。
今、出てきたとこやよ」


−−・・


「手めっちゃ冷たいやん」

そう言って私の手は
すっぽりと直人の
暖かい手に包まれていた。
< 5 / 11 >

この作品をシェア

pagetop