半透明メロウ

幼馴染の特権



きっと、なによりも難しい距離だと思った。


「優菜ー、今日は渚んちと一緒にカラオケで夕飯にするわよー」

「おおっ!まじか」


お母さんの突然の発言によりあたしの気分は上昇した。

渚とはあたしの幼馴染で、同い年の男の子。


「美菜と拓兄は来るって?」

「んー、どうだろ……。分からないわー」

「そっか」


お母さんの〝分からない〟と言う答えにちょっとだけ期待が外れた気分になる。



美菜はあたしの一つ上のお姉ちゃん。

拓兄は渚の一つ上のお兄ちゃん。

つまりは二人も幼馴染で同い年。



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