半透明メロウ
1
幼馴染の特権
きっと、なによりも難しい距離だと思った。
「優菜ー、今日は渚んちと一緒にカラオケで夕飯にするわよー」
「おおっ!まじか」
お母さんの突然の発言によりあたしの気分は上昇した。
渚とはあたしの幼馴染で、同い年の男の子。
「美菜と拓兄は来るって?」
「んー、どうだろ……。分からないわー」
「そっか」
お母さんの〝分からない〟と言う答えにちょっとだけ期待が外れた気分になる。
美菜はあたしの一つ上のお姉ちゃん。
拓兄は渚の一つ上のお兄ちゃん。
つまりは二人も幼馴染で同い年。