先生にキス〈4〉
「あと、今更だけど、去年は酷いことしてごめん…。二人で教室にいるのを見た時、すごく楽しそうにしていたから、羨ましくて壊したくなった…。ごめん。」


そっか……。
そうだったんだね…。


あの時のことは、許せることじゃないけど…、気持ちは少し分かった気がするよ…。


「じゃあ、そろそろ行くよ。俺になんて言われたくないかもしれないけど……、和丘さんたち、ずっと一緒にいられるといいな。」


そう言って、昇降口に歩いていく並木君の後ろ姿を、私は、ぼんやりと見ていた。



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