空色


日本じゃなくても、本当はどこだって良かった。

ただきっかけが必要だった。

この終わりのない関係を、終わらせるきっかけが。

こんな関係を続けていても、何の意味もないことも僕らは知りつつ、ただ溺れていく。

人間は時に愚かで弱い。

きっとコレは、そんな愚かな僕に神様がくれたチャンスなんだ。

どこだっていい、アメリカ以外なら。

僕の心は、今だに過去に捕らわれたままなのだから。

『最後のワガママにするから、きいて?今日はずっと一緒にいて…朝日がのぼるまで、抱きしめてて。』

そう言ってリズは僕に唇を重ねた。

僕はまた貪るように舌で彼女を味わい、そのまま激しく抱いた。

今までで一番激しく、優しく、壊してしまいそうなほどに…


これで最後だ。

この罪悪感からも、人の温もりからも…
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