空色


“明日からライブのリハとか始まるし、今から観光行こうぜ☆”

ホテルに着いた後、元気なライアンが嬉しそうに言う。

“てめぇは何でそんな元気なんだよ、オレはパス。飛行機で寝れなかったし、寝たい…観光なんて今日じゃなくたって、また後で出来るだろ?”

ショージはそう言うと、ベッドに寝ころんで瞳を閉じる。

“トニーは?”

“あー、オレも今はパス。夕食まで二人でぶらぶらしてきたら?”

そう言ってあたしをチラリと見るトニー。

“えぇっ、あたし?コイツに付き合えって?”

あたしの反応にトニーが頷く。

“モーガンーっ!行こうよ、楽しいよ?ね?”

ライアンに泣きつかれて、あたしは渋々返事をする。

“…しょうがないなぁ。”

でも本当はあたしも目は覚めていたから、寝られそうにはなかったんだ。

気を紛らわすにはちょうどいい。


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