空色


“…探そうか、その彼。”

“え?”

しばらく無言だった後、ライアンの言葉に顔を上げるとライアンがニッて笑った。

“一緒に探したら、もしかしたら見つかるかもしんねーじゃん?”

“…でも。”

“会いたいんだろ?チャンスは自ら掴みに行かなきゃ逃げてくんだ。ロンドンにいるんだよ、オレ達。出来るだけのことしたらさ、あきらめもつくじゃん?でも何もしなかったら、またお前は彼のこと引きずってさ、いつまでも前に進めないじゃんか。”

この人は、どこまでいい人なんだろう。

優しくしないで、また甘えてしまうから…

“…ごめん。”

“何で謝るのさ?それより、時間がないよ。なんか手がかりはないの?どんな小さなコトでもいいからさ。”

“…分かってるのは、名前と年齢ぐらいかな。あとは、もしかしたら教師をしてるかもしれない。”

あたしの記憶の中の彼のままでいれば。


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