空色


『なぁ今日は二人で出かけないか?天気もいいし。』

『え?』

突然の僕の言葉に、リズがびっくりした顔を僕に向ける。

僕らは今まで一度もデートとかはしたことがないからだ。

リズの彼氏がここへ来た時に、変な噂がたってたりしないためだ。

会うのはリズの部屋でっていうのが、暗黙の了解みたいになっていた。

『もちろん恋人としてじゃなく、友達として。最後にこの街を君と歩きたいんだ。いいだろ?同じアパートに住むアメリカ人の僕にこの街を案内してくれよ☆』

そうイタズラっぽく言う僕に、リズが少し切なげに微笑んだ。

『分かった。いいわ、出かけましょ。友人として。』

『あぁ。』


これが、僕が出来る最後の罪滅ぼしだから…


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