空色
“ごめんなさいっ!”
よろけた彼女に慌てて手を差し出す。
あたしのスタイルは常にスニーカーだし、大丈夫だったんだけれど、ぶつかった女の人は高いピンヒールを履いていた。
とてもキレイな人だ。
あたしとは正反対の、上品な服とスカートから覗く細い足。
“大丈夫ですか?”
そう尋ねると、こちらを見た大きな薄茶色の瞳が微笑んだ。
“えぇ、こちらこそごめんなさい。ちょっとぼーっとしてて。”
“いえ。”
“モーガン、大丈夫か?”
ライアンが後ろからあたしのもとへとかけよる。
“うん、あたしは大丈夫。”
“そっか。えと、スイマセンでした。”
ライアンはあたしの無事を確認してから、彼女に頭を下げた。