空色
『マイク、ごめんなさい。』
待ち合わせの場所で待っていた僕にリズが声をかけた。
『いいよ、僕も今来た所だし。それよりキミの探してたモノは見つかった?』
『ええ。』
嬉しそうに言うリズに、一体何を探していたのか気になった。
『じゃあそろそろ帰ろうか。』
今日1日の終わりが、僕らのこの関係の終わりでもある。
何も言わずにそっと手をつないだ。
リズの体温が僕に伝わる。
最後の温もり…
『さっきね、可愛らしいカップルに会ったの。アメリカ人だったわ、旅行者かな。喋り方とアクセントですぐ分かるわね、あなたと初めて会った時もそうだったけど。』
そう言ってリズは笑った。
なんだか最後だって考えないようにする為、無理に喋ってるようにも見えた。
時間の流れだけは、止められないから。