空色
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『じゃあ、これで本当にお別れね。』
リズの部屋の前まで着いた時、リズがわざとらしいぐらい明るい声で、微笑みながら僕を見上げた。
その瞳の奥が悲しげだったから、僕は玄関先で人目も気にせずリズを抱きしめた。
『マイク?ハグにしては長すぎるし、キツく抱きしめすぎなんだけど。』
リズの冗談ぽく話す声も、僕の胸を締め付ける。
『…ごめん。』
そんな言葉しか出てこない。
『ごめんな。』
愛せないくせに、彼氏から奪う気もないくせに、求めてしまってごめん。
君を、苦しませてごめん…