空色
“ってか、すげーな。これで上手くデビュー出来るといいな。”
“うん、ありがと。”
“お前らの音、かっけぇし、その辺のヤツらよりイケてると思うから大丈夫だよ。FOBとか、Paramoreとか、emo連中なんて潰してやれよ(笑)”
“はは、そーだね(笑)”
クリスが冗談まじりで言った言葉に、あたしも冗談まじりに答えた。
くだらないおしゃべりをしながら、いつものように時間は過ぎていく。
閉店間際のこの店は、何ひとついつもと変わらない。
ロンドン公演までは、あと1ヶ月半。
あたしの気持ちだけが、いつもと違った。