空色


「ううん、ひかりちゃんは会ったコトない。隣の家に住んでる幼なじみの6つ年上の人…もう中学んときからずーっと片思い!あーあ、ついに誰かに話しちゃった、あたしのトップシークレット☆ひかりちゃんが一番最初。」

そう言って、マリカが照れながら笑った。

すっごく可愛いかった。

あたしが男なら一瞬で恋に落ちてしまいそうなぐらい。

「…それで。マリカ、モテるのに彼氏とか作んなかった理由が今分かったかも。」

「あたしの一番最初の恋人は、絶対彼じゃなきゃ嫌なの。だから絶対いつかふり向かせてみせるんだ。」

そう言ったマリカを、すごく羨ましいと思った。

あたしには、一生そんな自信、湧かないと思うから。

自分を好きになってくれる人がいるとも思えない。

「ねぇ、じゃあその彼もライブ誘ったら?」

こんなこと言うあたしは卑怯だ。


「ライブかぁ。しゅうちゃん来るかなぁ?」

「誘ってみるだけ誘ってみたら?」

「そーだね、そーする///」


心の底で、彼が来てくれることを望むあたしは、やっぱり卑怯だ。

最悪だ。


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