空色



「お待たせ♪」

そう言ってやってきたマリカは、いつもよりオシャレに気合いが入っているのが分かった。

満面の笑みを浮かべながら、一緒にやってきた彼を紹介する。

「しゅうちゃん。あたしの幼なじみ☆こーみえてもバンドでベース弾いてんだ。」

「こーみえてもって何だよ。」

その"しゅうちゃん"と呼ばれた彼がマリカの頭を慣れた感じで軽く触った。

マリカが嬉しそうに笑う。


そしてその様子をつまらなそうに見つめる彼…

あたしの胸がまたチクってする。

「えっと、こっちがあたしの親友のひかりちゃんで、こっちがザックのいとこのレオ。」

「あ、はじめまして。」

マリカに紹介されて、あたしはぺこりと頭をさげた。


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