空色
「マリカのこと、好きなんですか?」
「え?」
自然とあたしは思ったことを何も考えずに口にしていたみたいで、慌ててごまかそうと思った時にはすでに遅かった。
「好きかぁ。ひかりちゃんの言う好きとはちょっと違うかなぁ。一生大事な子だし、見守っていきたいんだけど。触れられない存在。マリカは好きを超えた特別な位置にいる。なんて」
彼の言葉を今マリカが聞いていたら、また惚れ直していたかもしれない。
自分の事言われたわけじゃないのに、あたしでさえドキっとした。
「でもマリカは…」
「分かってる☆」
それ以上は言わないでって感じで、口の前に人差し指をたてる彼。
この人は、マリカの気持ち知ってて、何でマリカに気持ちを伝えないんだろう?
大人って分かんないな。
「しゅうちゃーんっ!ひかりちゃんも、二人遅いっ!」
少し前を歩くマリカに呼ばれて、あたし達は少し駆け足で2人のもとへ向かう。
「さっきのはマリカには内緒ね☆」
そう言われて、あたしは無言でうなずいた。