空色


「ARE YOU READY TO ROCK!?」

そう言って、歌い出したステージ上の彼女は、すごく綺麗でかっこよくて、あたしは釘付けになった。

あたしと同じ色の瞳が、あたし達を見下ろす。

わざと染め上げられた、真っ黒な黒髪が、より一層彼女の白い肌と青い瞳を引き立たせている気がした。

鳥肌が立つほどのオーラと、少しハスキーな低い歌声に、ロックな音楽がすごく合ってて。

一瞬で彼らの世界に引き込まれる。

HOHのファンばかりのこの会場を、彼らの色に染めていく。


激しくぶつかり合う観客に、あたしはバランスを崩して倒れそうになった。



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