空色
「レオっ!ごめん、もう大丈夫だから!」
そうあたしが叫んでも、この大音量の中じゃ、レオの耳には届かない。
そう、あたしは今コイツに後ろから抱きしめられるように支えられてる。
周りで体当たりしてるヤツらから守ってくれてるみたいなんだけど。
恋人でもないのに、こんな密着されるのは困る。
レオの体が触れてる背中が、熱い。
でも、「離して」ってあのレオのキレイすぎる顔に自分の顔を近づけて言う勇気もないんだ。
後ろなんか振り向けない…
あたしは仕方なくされるがままに、ステージ上の彼女をもう一度見上げた。