空色
「レオ、やっぱりあたし帰るよ。」
英語なんて高校で今習ってる程度も分かんないあたしは、正直打ち上げの場で浮いていた。
だって皆英語を話す人達ばかりなのだから。
「オレ送ってくからさ、もうちょい付き合ってよ?一人ではさすがにこんな時間に帰せねーし。」
レオがあたしにお願いってポーズをする。
あたしは、レオには甘くて、しぶしぶ残ってしまうんだ。
ホントは帰りたくても。
「ごめんね、ひかりちゃん。みんな英語ばっかりで退屈よね?」
あたし達の会話を聞いていたのか、レオのお母さんがあたしに申し訳なさそうに言ってきた。
「いえ、全然大丈夫ですから。」
あたしはつい愛想笑いを浮かべて答える。
ホントは大丈夫なんかじゃないけど。
「レオっ!あんた、今からひかりちゃん送ってあげなさい。ひかりちゃん帰りたいって言ってんのよ?」
レオママがレオを叱るから、あたしは慌てて否定する。
「あのっ、あたしならまだ大丈夫ですから。もうちょっと後でもいいです!」