空色
「ひかりちゃんっ!ホントごめんっ!!大丈夫?」
トイレにやって来た彼女は、さっきあたしの隣に座ってた女の子。
「別に慣れてるから。ってか、もう帰っていい?あの最低男そのうち殴りそうで怖い…」
「ホント最低だよねっ!あんな男、ありえないっ!!二人でこっそり抜けちゃうか?」
目の前の小柄で可愛い女の子があたしに、にっこり微笑む。
「マリカも帰んの?あたしはいいけど…いいの?マリカ狙いの男、いっぱいいたと思うんだけど。後で気まずくない?」
「大丈夫☆あんな最低男連れてきたヤツが悪いっ!」
そう言って、マリカはあたしの手をひいて、奥の席に座る団体に見つからないように、この居酒屋のレジへと向かった。