空色
「…そう?ごめんね、帰りたくなったらいつでも言ってね?今度こそすぐ送らせるから!」
そう言ってレオママはレオの背中を叩いた。
で、その後にこう言ったんだ。
「今回の彼女はアンタにはすごくもったいないわね。大事にしないとホントそのうち不幸になるわよ!アンタみたいな息子に、こんな素敵な彼女、二度と出来ないと思うわ。」
「あ、あのっ、あたしレオの彼女じゃないです!」
焦って否定するあたしとは対照的に、レオは何事もなかったかのように食べ物をつついてる。
この余裕もムカつくっていうか。
あたしだけ意識しちゃってんのが嫌だ。
「そうなの?それはそれで良かったわー。ひかりちゃんにレオはもったいなさすぎて、申し訳ないもの。こんな奴とは絶対付き合わない方がいいわよー。」
「はぁ…」
自分の息子をここまでけなす母親に、あたしは少し呆気にとられてしまう。
否定の言葉も出てこなかった。
「ってか、ヒドい言われようだなぁ、オレ。それでも母親?」
レオが軽く呆れ気味に口を開いた。
「アンタは少し自分の最低さを自覚しなさい!」
レオママにそう言われ、レオは適当に返事をしながらバンドメンバー達の方へと向かっていった。