空色


“ショージっ!何か日本語で通訳してよ。”

飲んでた部屋まで戻ると、あたしはショージを呼んだ。

“わかんねえよ、オレ。「コンニチハ」ぐらいしか。”

“オレでよければ通訳するけど?”

ショージの変わりにそう言ったのは、あのかっこいい男の子だった。

“オレはレオ、よろしく。”

“レオね。'R'じゃなくて'L'の方?(笑)”

日本人は'R'と'L'の発音が苦手だと聞いたことがあったので、からかってみた。

“あたしはモーガン、よろしく。”

右手を差し出し、握手を交わす。

“アナタの彼女?トイレでさっき介抱してもらったの、もう一度お礼を言ってもらえないかな?”

あたしはそう彼にお願いして、レオがヒカリに日本語で何か話しかけた。


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