空色


“待ってっ!”

あたしは今から帰ろうと店の外に出た二人を呼び止めた。

外はすっかり暗くて、少しひんやりした。

“どうした?”

レオが英語であたしに尋ね、ヒカリが不思議そうにあたしと彼の顔を交互に見る。

“あ、えっと。連絡先、ヒカリに渡して。アメリカ来た時はさ、二人で遊びきなよ。これもなんかの縁だし。それからさっきはありがとうって伝えて。”

何故言葉も通じない、数時間過ごしただけの彼女とつながりを求めたのか、自分でも不思議でしょうがない。

ただ何か分からない感情に動かされていた。

もしかしたらヒカリのあの青い瞳のせいかもしれない。

無意識に彼女と重ねて、あたしの心の奥が、今のあたしをコントロールしてるのかもしれない。


“…オッケィ。ねぇ、君ってまさかとは思うけど、女が好きとかはないよね?”

あたしの必死な感じに、レオが少し怪訝そうな顔でそう言った。

“あははっ、ストレートだから大丈夫☆あんたの彼女奪おうとかは考えてないから安心して!”

あたしが笑って言うと、レオの顔がほんの少し赤くなったような気がした。

“別にそんな心配してねーし。ってかヒカリとオレはそんな関係じゃねーし。”

“そうなの?”

今度はあたしが驚く番だった。


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