空色
第二章
a line of destiny gets caught in
『お話って何でしょうか?』
僕は今、校長室に呼ばれている。
こんな改まった話しをされるのは、この高校に赴任してきた時以来で緊張する。
知らない間に何か良くない噂でもたっているのだろうか。
校長は自分の机の席から立ち上がると、目の前に並ぶソファに座るよう僕を促した。
『今年から日本のある高校と交流が始まったのは君も知っているだろう。』
突然の僕とは全く関係のない話しに、戸惑いながら頷いた。
『でだな、今月末にはうちの高校から数人交換留学生として一年間日本の高校で学ぶことになっている事も知ってると思うんだが。』
そこまで言うと校長はソファに深く座り直した。
なんとなくだが先の言葉が読めた気がした。
『一緒に行く予定だったミスタージョーンズ先生の入院が長引きそうなんだ。そこで君に一年間、日本に行って欲しい。他の先生方には家庭があるが、君は結婚もしていないし、家族は皆アメリカだろう。一年だけだし、給料も今より上がる。悪い話しではないと思うんだが、どうだろう?』