空色


『…少し考えさせてもらえますか?日本なんて考えてもなかったので。』

『あぁ、なんせ急な話だからな。君にも恋人ぐらいいたかな?無理にとは言わないよ、ただもう時間がないから、出来れば明日までに返事をもらえるとありがたいんだが。』

校長はそう言うと、日本行きの資料を僕にわたしてきた。

『分かりました、明日にはお返事します。』

僕はとりあえずその資料を受け取った。

というか、受け取るしかなかった。

もう僕しか頼みのつてがないことを知りながら、即この場で断ることなど誰が出来るだろうか。

資料を受け取った僕を見て、校長が立ち上がったので、僕も慌てて立ち上がる。

『では話しはそれだけだよ、わざわざすまなかったね。いい返事を期待しているよ。』

そう言って差し出された右手を、僕は握る。

『はい。では明日までには必ず。』

僕は校長室を後にした。


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