とりあえず、
がらがらがらーっと
図書室のドアを開け、
深呼吸を一つ。
すーはー、すーはー。
あ、二つやった。
「さて、何から始めよかな。」
呟きながらうちの指定席
(と勝手に決めてるだけ)に向かう。
こつこつ。
図書室にはうち一人。
こつこつ。
嫌でも聞こえるうちの足音。
こつこつ。
新品だった革靴も随分擦りきれた。
こつこつ、こつこつ。
ふわりと鼻に入るは秋の風。
「もう、受験かぁ。」
すー、はー。
机に向かって、もう一度
深呼吸をした。