Sweet Love

一度イモ子とインプットされた女子が急に頑張り始めるということは、周囲の人間からするとかなり滑稽なものである。特に同性の目は厳しく、下手な化粧なんかしていった日には、「あいつなんか間違った方向に突き進んじゃってね!?」と笑われ、酷く痛い目にあってしまう。

しかし、私は負けない。変わってみせる!!

その努力が実り、ランクC仲間から「なんか最近雰囲気変わったよねえ」なんて言われるようになったある日。高校といえば、文化祭、合唱コンクールと様々な行事があるが、その代表格ともいえる体育祭が行われることになった。

只今LHRで体育祭の種目決め。運動に自信がある人達が盛り上がっているのを、私は白けた気持ちで眺めていた。

「体育祭かあ。ゆかちん、種目どうするよ?」

「私、マジ運動ダメなんだよね。ここは無難に障害物走にでもしとくかな。彩花は?」

あーあ。私が運動できれば亮に少しでもいいとこ見せられるのにな。まあ、ここは地味にやり過ごそ。

なんて思っていたその時、

「高橋さんと佐川さん!!ちょっと頼みがあんだけど〜!!」

クラスのリーダー格ともいえるギャル軍団の司令塔、西田桃が声を掛けてきた。

< 10 / 72 >

この作品をシェア

pagetop