Sweet Love

私はこいつが苦手だ。向こうも私のような者にはいちいち関わりたくもないようであったが一体何の用があらせられるのであろうか。

西田桃は緩く巻いた金髪をいじりながら話し出す。

「あのさぁ〜、やっぱ体育祭やるからには勝ちねらっていきたいじゃん?だからさぁ、高橋さん達、女綱引きに出てくんないかな?桃達と違って、力ありそうだからさ!!」

西田桃は、全く悪意のない笑顔でそう言い切った。

だから私はこういう輩が嫌いなのだ。他人の気持ちなんて一切考えないくせに、何を言っても許されてしまう。一応ダイエットに精を出している私が力ありそうと言い切られるこの気持ち、どんなにやりきれないことか!!

「うん、いいよ……ね?いいよね彩花?」

「……うん」

「ほんとぉ?ありがと〜!!じゃ桃が黒板に名前書いてきたげるね〜!!」

西田桃はにこっと笑って、黒板の方にぴょんぴょん跳ねていった。

男子よりも白熱すると恐れられている女綱引きに出ねばならないなんて。しかも好きな男の前でそんな姿を晒さねばならないとは!!

これが格下女子の宿命なんでしょうか、神様。

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