Sweet Love
「亮!!」
西田桃が悲痛に叫ぶ。
何が、起こったの?
体を起こしてみると、目の前にあるのは、顔を歪めて座り込む亮の姿。西田桃がその傍に駆け寄った。
「大丈夫!?亮!!」
もしかして、亮、足を挫いちゃったの?私が転びそうになったのを、助けにきてくれたから……。
事実を理解した途端、血の気がサアッと引いていくのを感じた。
亮の出番はもうすぐだ。アンカーの亮に、みんなが期待している。私は大変なことをしてしまったのかもしれない。
「り、亮……」
不安で、震えた声。
亮はおもむろに立ち上がると、ニッと笑った。いつもの、あの、優しい笑顔だ。
「なあーに泣きそうな顔してんだよゆかちん!!俺は全然大丈夫だって!!」