Sweet Love
「え、そ、そうなの?足、挫いちゃったんじゃ……」
「誰がそんなこと言った?ちょっとぶつけちまっただけだよ。でももう平気だから!!」
「見てろよゆかちん。絶対、優勝してきてやるからな!!」と言って、亮はピースサインをした。
そのまま西田桃に付き添われて、亮は選手集合の場へと向かった。
本当に、大丈夫なの?だって亮、凄く痛そうな顔してたよ?
一瞬西田桃がこちらを睨んだ気がした。
応援席に着いても、まだ心臓が妙な音を立てている。
「ゆかちん、どうかした?なんか顔青いよ」
「ううん、気にしないで……」
亮は、走れるのだろうか。気が気じゃない私をよそに、軽快なBGMとともに、クラス対抗リレーは始まってしまった。