Sweet Love

亮はとうとう二位まで上り詰めた。あと、一人だ。ボーっとしちゃいられない。私も応援せねば!!

「亮、頑張っ……」

と、言いかけたその時だった。

亮はバランスを崩し、転倒してしまった。なかなか起き上がらずに、倒れたままだ。後続の選手達が追いつき、亮を避けて走っていく。

「……は?亮何やってんの?」

「早く立てよ」

その異質な様子に、生徒達がざわつきはじめる。

結局、全ての選手がゴールしても、亮が起き上がることはなかった。

その後、閉会式を終えて、私達は教室へと戻ってきた。亮は結局、棄権ということになり、体育の先生に保健室へと連れていかれた。クラス対抗リレーの点数は入らず、もちろん、優勝はなしだ。

やはり自然と、体育祭のことが話題にのぼる。

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