Sweet Love

「はあ〜?何でゆかちんが出てくんだよ。みんなには悪いけど、俺が勝手に転けました」

「え!?だって亮、あの時……!!」

「桃。だから言っただろ?あれは全然関係ないんだって。だってあの時、俺怪我なんかしてねーもん。まあそういう理由があれば、少しは格好ついたんだけどな!!」

「……まあ確かに、お前がそんなかっこいいことするわきゃないか」

「おい、うるさいよ土屋君」

残念残念って、亮は冗談めかして笑った。

亮、もしかして、私を庇ってくれてるの?何で……私なんかの為に。

不意に、亮と目が合った。亮は、優しい目をしていた。

「あれ?まさかゆかちんも泣いてたの?いやあ〜モテる男は辛いやね!!」

「ばっ……そんなんじゃないよ!!」

私は慌てて目尻を拭った。

亮は微かに微笑むと、私にだけ聞こえる声で、呟いたんだ。『優勝するって言ったのに、約束、守れなくてごめんな』って。

その後亮は荷物を持って、保健室の先生に付き添われながら、帰って行った。

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