Sweet Love
「ごめん!!」
そう言って、そのまま教室を飛び出した。亮が後ろで何か言っていたけど、聞こえないフリをした。
一度溢れた涙が、とめどなく流れ出す。
電車の中、周りの乗客から訝しげな視線を向けられても、私は自分を抑えることが出来なかった。
家に着くと、一目散に部屋に向かい、ベッドに倒れ込んだ。
涙は未だ、乾くことを知らない。
「……バッカみたい」
勝手に浮かれて、勝手に突っ走って、勝手に傷付いて。
そうだよ。初めから亮が私なんか相手にするわけないじゃん。亮だって普通の男共と同じなんだよ。西田桃みたいに、細くて、明るくて、可愛い女が好きなんだよ。私に、勝ち目あるわけないじゃん……。
その時、ポケットから何かが落ちた。拾い上げて見てみる。亮がくれた、キティちゃんのストラップ。
昨日はあんなに幸せをもたらしてくれた亮からの贈り物も、今はただ悲しみを増幅させるだけだ。
「何よ、こんなもん!!」
憎しみを込めて、部屋の壁に投げつけた。