Sweet Love

気付けば、夏本番が到来していた。そう、今日は一学期の終了式だ。

眩しい太陽。青い空には、もくもくとした入道雲が広がっている。キラキラとした夏独特の空気の訪れに、クラスメート達が浮かれ上がるのも当然と言えよう。

が。
そんな中、私は一人、重く沈んでいた。

だって、夏休みってことは、学校がないわけで。学校がなかったら、亮に会えないじゃん!!

「うーん……」

どうしよう。メルアドでも聞こうかな。でも亮にうざいって思われないかな……。

「ゆかちんは夏休みどっか行くの?あたしはカイト様のDVD発売イベントだけは欠かせないと思ってんだけど――」

なんて彩花の戯れ言はことごとく聞き流し、私はうんうんと悩み耽っていた。

「では夏休み、だらけすぎないこと!!しっかり勉強すること、いいな!?」

「さよーならー」

とうとう、帰りのHRが終わってしまった。

亮は帰りの支度を終え、教室を出て行こうとしている。

も、もう行かなければ間に合わん!!

私は迷っている暇はないと、立ち上がって亮の元へ向かった。

「り、亮!!」

< 49 / 72 >

この作品をシェア

pagetop