Sweet Love
気付けば、夏本番が到来していた。そう、今日は一学期の終了式だ。
眩しい太陽。青い空には、もくもくとした入道雲が広がっている。キラキラとした夏独特の空気の訪れに、クラスメート達が浮かれ上がるのも当然と言えよう。
が。
そんな中、私は一人、重く沈んでいた。
だって、夏休みってことは、学校がないわけで。学校がなかったら、亮に会えないじゃん!!
「うーん……」
どうしよう。メルアドでも聞こうかな。でも亮にうざいって思われないかな……。
「ゆかちんは夏休みどっか行くの?あたしはカイト様のDVD発売イベントだけは欠かせないと思ってんだけど――」
なんて彩花の戯れ言はことごとく聞き流し、私はうんうんと悩み耽っていた。
「では夏休み、だらけすぎないこと!!しっかり勉強すること、いいな!?」
「さよーならー」
とうとう、帰りのHRが終わってしまった。
亮は帰りの支度を終え、教室を出て行こうとしている。
も、もう行かなければ間に合わん!!
私は迷っている暇はないと、立ち上がって亮の元へ向かった。
「り、亮!!」