Sweet Love

「高橋さあん!!それ、俺のと間違ってるみたい!!」

そう言って、手渡された私の答案。

「高橋さんすげー満点じゃん!!俺は……25点?やっべ!!このことは内緒にしてねっ」

私を見て、軽く微笑む彼。

「おい亮!!もう丸聴こえだぞ!!」

「あはははっ。バーカ!!」

なんてクラスのざわめきは、もう既に私の耳には入っていなかった。ただ私は、彼に釘付けだった。心臓がトクントクンと音を打つ。

彼は笑った顔のまま私の後ろの席に着いた。私も慌てて座って、姿勢を正す。

……間違えてくれた先生に感謝するよ。

高橋亮君、か。漢字、頑張っといてよかった。

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