Sweet Love
亮は、少し髪が伸びて、背も少し高くなった気がした。
「久しぶり、だね」
うん、と私は頷く。
私服で会うのは初めてだし、なんだか気恥ずかしくて、私達は目を合わすことも出来ずにいた。
「じゃあ、行こっか」
「そ、そだね」
前を行く亮の後ろを、とことことついていく。ショーウィンドウに並んだ二人の姿が、不思議だった。
そこで、私は重大なことに気付いた。
亮は一体、どこに向かっているんだろう?私は亮に会えるってことだけで頭がいっぱいで、今日何をして過ごすかなんて考えもしていなかったのだ。
『どこに行くの?』と聞いてみても、亮は『いいからついて来て』と言うだけ。
結局、亮が立ち止まったのは、学校の裏手の、小さな丘の上だった。