Sweet Love

体調が回復しても、学校に行く気にはならなかった。あの日の教室を思い出すだけで、胸が締め付けられるように痛む。もう、誰にも会いたくなかった。何より、学校に行っても、亮はもう私に笑いかけてくれない。

こうして、一体、何日経ったのかもわからない。私は自分の部屋でただぼんやりと窓の外の灰色の空を見つめていた。頭がぼやけて思考もままならない。それは逆に好都合なんだけど。

その時、ピンポーンと、真昼の静寂を破ってチャイムの音が響いた。

お母さんが出るだろう、と思ったがなかなか出ない。そうだ、さっき買い物に行っちゃったんだった。

まあ居留守すればいいやと暢気に構えていたが、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーンと、やけにしつこい。

「……仕方ない」

私は渋々重い腰を上げて、玄関に向かった。

ちょうどドアの前まで来たところで、またチャイムが鳴らされた。

「はいはーい今出ます」

「……ゆかちん?」

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