Sweet Love
ドア越しに聞こえた声に、心臓がドクンと高鳴った。即座に手を引っ込める。
「俺だけど」
何日かぶりに聞く、亮の声。
亮が、何で?どうしよう……。
私は、どうすることも出来ずに、ドアの前で狼狽える。
「ゆかちん、そこにいるんだろ?」
亮は優しく、穏やかに言った。
「俺に会いたくないなら、それでいい。ただ、話を聞いてくれる?」
私が何も答えられずにいると、亮は話し出した。
「俺が落ちてる時、声が聞きたいと思ったのは、ゆかちんだった」
「……」
「慣れないお洒落を一生懸命してくるゆかちんが、愛おしかった」
え?
「ゆかちんに『関わらないで』って言われた時、辛かった。ゆかちんに会いたくて会いたくてたまらなかった」
嘘……。
「やっと、自分の気持ちに気付いたよ」
私の目から、ポロポロと涙がこぼれ落ちる。
「俺、ゆかちんのことが好きだ」