Sweet Love
私は今まで、片思いを前提に恋をしていた。どうせ相手に気付かれたら引かれるのがオチだと諦めてた。それなりに落ちたり喜んだりしながら自然消滅……ってのがいつものパターンだった。
瞼の裏に、亮の笑顔が浮かぶ。
でも、亮なら。亮なら違うんじゃないかって、思った。何の根拠もないけど。
別に報われなくてもいいんだ。初めから、叶うなんて思っちゃいない。
ただせめて、亮と釣り合うように。あの真っ直ぐな笑顔に、向き合えるように。――変わりたい、そう思った。
そんな私がまずやったこと。ダイエット。三食サラダにしてみた。不思議なことに好きな人がいると全く苦にならない。彩花は毎日のように、
「それで足りんの!?」
と心配していたが。
そして髪もさっぱりショートに切り、手当たり次第雑誌を買ってみた。何がなんだからわからなかった化粧品も、雑誌を参考書代わりに少しずつ揃えていく。毎日部屋で一人メイクの練習をし、私、なんか女の子じゃん!!と自己満に浸りながらも、それなりに見れる格好になってきた。