不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-
「もう、疲れた・・・」
昼休みまであっという間だった。
それにしても、中学の時とは、まったく違う授業方式に驚きを隠せない。
「ルミ、どっかご飯食べに行かない?」
隣の席からミヤビが話かけてきた。
「・・・ご飯を食べに行くの?」
「あれ?ルミ、お昼食べない人?」
「ううん。お弁当、持ってきたけど?」
「へぇ~、お弁当作ってきてるの?」
「・・・いや、お母さんがだけど・・・」
私は、なんとなく恥ずかしさを覚えた。
(高校生はお弁当ってもってこないんだろうか?)
そんな疑問が頭に浮かぶ。
「・・・いいなぁ~、私のお母さん、絶対、お弁当なんて作ってくれないから。」
ミヤビは少し悲しそうに笑う。
私は、何かちょっとミヤビに悪い気持ちになった。