不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-
「えへ。」
まったく反省していないミヤビの様子。
「・・・家事は私の担当だから。」
やっと息の落ち着いたマイが私のさっきの問いに答えた。
「凄いね。私なんか家事、ひとつもできないよ。」
ミヤビが感心する。
「うん。そう見える。」
私は、ミヤビを見る。
「・・・そういうルミはできるの?」
「出来るように見える?」
「・・・見えないから、聞いてるんだけど?」
「見えないってことは、できないに決まってるじゃん。」
「いや、ルミ、それ威張って言うことじゃないよ。」
ミヤビは悲しそうな表情で私を見る。
そんな私とミヤビを見て、マイは笑っていた。
「もう!マイ、そんなに笑うとまた私の胸で窒息させるよ!」
ミヤビは、マイに飛び掛ろうとする。
「え~やだ。」
マイは、笑いながら、ミヤビから距離をとった。
「・・・ミヤビって・・・エロ親父だね・・・」
私がこぼした言葉を聞いて、ミヤビが私を捕まえて、胸に押し付けようとする。
「もう、やめてよ。」
私は、必死にミヤビを押しかえす。