不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-
何時までも雑誌の立ち読みをするわけにもいかず、私は、プリンを買ってコンビニの外へ出る。
真っ暗な駐車場に座り、プリンを開ける。
暗闇の中、プラスチックのスプーンで一口分のプリンをすくう。
口の中でふんわりと溶け、そして体中に甘さが広がる。
「・・・おいしい。」
私は、自然と笑顔になる。
そして深くため息をついた。
「もう・・・・私、何時まで、ここで待てばいいんだろ?」
携帯電話を取り出し、時間を確認すると、もう夜の23時を過ぎていた。
どこかでパトカーのサイレンが鳴っているのが聞こえる。
「・・・まさか、コウの奴・・・勘弁してよ。」
私は、少し嫌な予感がする。