不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-



織田リョウは、バイクを走らせ、あの夕方、私達があった公園についた。


バイクを止める。


私は、春先の深夜ということもあり、すっかり体が冷えた。


少しでも体を温めようと、両手で体を擦る。


「おい、お前!」


織田リョウはぶっきらぼうに私を呼ぶと、織田リョウが着ていた特攻服を投げつけてきた。


私は、それをうまく両手で受け止める。


「着ろ!」


織田リョウが、今まで着ていた特攻服は、かなり暖かかった・・・ただ、もの凄く付いていた血が気になったけど。


「お前、この辺りだろ、家?」


「・・・ごめん、違うんだけど。」


私は、織田リョウにこの辺りは、学校があるだけで、家はかなり遠い所だと説明する。


「チッ、何だよ。」


織田リョウは、強く舌打ちして、私に近づいてくる。


「お前、名前は?」


私は、冷たい目の織田リョウに至近距離で見下ろされ、また、下を向いてしまう。
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