夜獣2-Paradise Lost-
「日常を暮らしていける記憶は残っているようなのすが、自分や他者、過ごしてきた記憶を失ってしまったようです」

「そうか」

甘粕は裁きを遂行した。

試合に負けて勝負に勝ったのは、甘粕だ。

本来ならば僕が受けなければならなかった事を、アキラが受けてしまった。

「耕一さん」

考え込んでしまった自分を心配したのか、渚が声をかける。

「何でもない」

殺人者である僕は、日常に戻れない。

悔いてはならない。

悔いれば崩れる。

何もかも、崩れてしまう。

僕のやっている事に、正しさは一つも無い。

二度と、下を向く生活はしないと決めた。

「渚、次の能力者を探すぞ」

血路はあれど、退路はない。

僕は、前へ進むしかないのだ。

『奴』を地獄に叩き込むまでは。


2010年6月19日-完了-
< 112 / 112 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

第七世界

総文字数/217,372

ファンタジー326ページ

表紙を見る
獅子の生きる道

総文字数/16,036

ファンタジー29ページ

表紙を見る
夜獣4-A dangerous capital-

総文字数/1,199

ファンタジー3ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop