夜獣2-Paradise Lost-
僕等が降車すると、相場は車を走らせ去っていった。
十時を回っているせいか、通勤する人間達の姿は疎らだ。
朝食を取っていない状態の渚は能力者探しをするつもりはないらしく、前を歩き始める。
「行きましょう」
頑固さを秘めた渚の後に続く事数分、『サバイバー』の看板が目に入る。
街にあるのは知っていたが、一度も着た事はない。
営業中の札がかけられているという事は、サバイバーで食事を取るつもりか。
渚が先に入るとベルが揺れ、客を歓迎する。
「いらっしゃいませ!何名様ですか!?」
黒髪で十代に見える童顔の女が、胸を強調させた黒の制服を着て出迎える。
「二名でお願いします」
「かしこまりました!」
カウンター前以外の席を外すと、三十程度。
カウンターを越えた先には、茶髪の女がパズルを組み立てていた。
店内の客は老人のみ。
黒髪に外界から見えない位置に誘導され、面を合わせた状態で座る。
「ご注文がお決まり次第および下さい!」
黒髪は水を提供し、カウンター向こう側へと戻った。
「サバイバーのご飯はとても美味しいんですよ」
来た事があるような口ぶりで話しながら、メニューを見ている。
味の良し悪しに関わらず、早く出て行きたい事には変わりはない。
「すいません。メニューを独占してたみたいで」
「いいから、さっさと決めろ」
一分も経たない内に、メニューは僕の手の中に移っていた。
メニューには写真がなく、文字の羅列だけが縦に並んでいる。
名前を見ても、内容が解らない。
どれを選んでも一緒なのだろうと、名前だけを覚えてメニューを机の上に戻した。
十時を回っているせいか、通勤する人間達の姿は疎らだ。
朝食を取っていない状態の渚は能力者探しをするつもりはないらしく、前を歩き始める。
「行きましょう」
頑固さを秘めた渚の後に続く事数分、『サバイバー』の看板が目に入る。
街にあるのは知っていたが、一度も着た事はない。
営業中の札がかけられているという事は、サバイバーで食事を取るつもりか。
渚が先に入るとベルが揺れ、客を歓迎する。
「いらっしゃいませ!何名様ですか!?」
黒髪で十代に見える童顔の女が、胸を強調させた黒の制服を着て出迎える。
「二名でお願いします」
「かしこまりました!」
カウンター前以外の席を外すと、三十程度。
カウンターを越えた先には、茶髪の女がパズルを組み立てていた。
店内の客は老人のみ。
黒髪に外界から見えない位置に誘導され、面を合わせた状態で座る。
「ご注文がお決まり次第および下さい!」
黒髪は水を提供し、カウンター向こう側へと戻った。
「サバイバーのご飯はとても美味しいんですよ」
来た事があるような口ぶりで話しながら、メニューを見ている。
味の良し悪しに関わらず、早く出て行きたい事には変わりはない。
「すいません。メニューを独占してたみたいで」
「いいから、さっさと決めろ」
一分も経たない内に、メニューは僕の手の中に移っていた。
メニューには写真がなく、文字の羅列だけが縦に並んでいる。
名前を見ても、内容が解らない。
どれを選んでも一緒なのだろうと、名前だけを覚えてメニューを机の上に戻した。