かわいい笑顔 ~恋した彼は高校生~
「これも憶測ですが…。責任なんじゃないですかね?」
「責任?どういう意味?」
「その浮気しちゃった相手に対する…責任です。ましてや浮気して、
やっぱり彼女がいいって言えないというか…。いい加減なことして、
その相手にも申し訳ないことしてしまったっていう負い目みたいな…」
私にはよくわかんなくて、つい言葉が出た。
「…よく…わかんない」
「うん、普通は理解できないよね。浮気しちゃう人なんてバレなきゃ平気とか、
ただ快楽求めて、刺激求めてしてる根っからの遊び人ってのが多いと思うし」
「……」
「でも希美さんの彼氏さんはそういうんじゃなくて…
未練という誘惑に負けてしまったってものなんじゃないかな?
だけどその後、本当に大切な人に気付いても、
でも真面目だから1回だけの浮気心でしたって、
簡単にその相手の人を切れなかったんじゃないかなぁと思います。たぶんですけど…」
「…でも結果、相手の人を選んだじゃない…それはその人が好きだからでしょ?」
のんちゃんの怪訝な顔。
「それも、たぶん愛情じゃなくて、責任です」
「…責任?」
不思議そうに尋ねるのんちゃん。
「男としての責任。子供が出来たって事実。愛する人が居ても、
出来てしまった子供への責任感のが勝ったんじゃないかなと…」
陸くんの言葉を聞いて、
妙に納得してしまった。
「それは…あるのかも。だって本当に相手の彼女を愛してたとしたら…
妊娠が嘘でも傍にいるし、例え彼女が他の誰かと迷ってたとしても、
必死に自分の方へ向いてもらえるように、努力すると思うし…」
「そう。間違っても昼間別れを告げてきた元カノを心配して訪ねてきたりしませんね」
それを聞いていたのんちゃんは、少し複雑な顔をした。